【案件】
・付議議案審査
(総括質疑〔観光文化交流局〕)
・令和元年第6号議案 令和元年度名古屋市名古屋城天守閣特別会計補正予算(第1号)
「中川貴元の発言」
今回の議案は保管庫です。ただ、505億円のうちの3億円という、単なる保管庫のみの話では今回はないのなかというふうに思っています。2022年の12月、この目標を守ろうとこういう思いから、解体先行という形で申請を出されたわけです。
しかしながら、結果は、残念ながら認められないと、こういう結果になりました。こういう現状を踏まえて、あるいは、この事実を私たちは真摯に受けとめる必要があるのかなというふうに思っています。
真摯に受けとめるとは一体何であるのかというと、それは、私たちはもう一回原点に帰ることが必要なのかなと思います。その原点とは何であるのかというと、やっぱり名古屋の誇る歴史、文化、こうしたものをプロセスも含めてどう残していくのか、そして、どう国内外に向けて発信をしていくのか。天守閣の木造化に積極的な方はもとより、慎重派の方も含めて、全ての市民の方が本当にいい歴史、文化を残してくれたなと、後世に我々が国内外の人たちに誇れる、そんなこのお城の事業を私たちは進めていく、その原点に立ち返る必要があるんだというふうに思っています。
この名古屋の宝であるお城をどうしていくか、こここそが僕は原点だというふうに思っています。そういう中で、先日も質問させていただきましたことと大分重複をすると思いますが、それは少しお許しをいただきたいと思います。
まず一つが、皆さんは役所の方ですから、事務方の立場として、2022年12月は非常に厳しい、困難と考えているのか、事務方としての見解で結構ですから、まず、それをもう一度改めてお尋ねをしたいと思います。
「松雄局長の発言」
繰り返しになりますけれども、事務方としては非常に厳しい、苦しいというふうに、スケジュールを守ることについて思っております。
「中川貴元の発言」
これは、解体の許可がもし割と早い段階で下りたとしても、それは復元の許可の申請がタイムラグなく下りるかどうかということは不透明であり、それが5年かかるのか、もしかしたら1、2年かもしれない、あるいは10年かかるのか、それはわからないという現状認識でよいんでしょうか。
「松雄局長の発言」
今、委員おっしゃるとおりのことだと思います。解体が認められてもそのあとやはりたくさんの調査をしなくちゃいけないということもありますので、そういう面で、解体とそれから天守の復元ということが、我々とすると解体だけしてお城がずっとないといったようなことには、とてもじゃないが許されないというふうに思っているもんですから、やはり見通しを立てながら事は進めていかなあかんというような思いは強く思っております。
「中川貴元の発言」
それは、文化庁の求めている考古学的な発掘調査、これをしていかなくてはならない。その調査期間もなかなかにして、先ほども答弁があったと思いますが、やってみないとわからないところもあるので、なかなかめどが立たないんだと、こういうことかなというふうに思います。
そうなると、例えば仮に解体だけ先行して、城がない状況が5年でも10年でも続く可能性も、このままいけば城がない状態というそういう可能性もある、ないとはいえない、そういう認識をお持ちでしょうか。
「松雄局長の発言」
そういう事態は決して起こってはいけないというふうに私ども認識しておりまして、先ほど浅井委員の御質問の中で、文化庁からこういう御指摘をいただくのは異例だというような御指摘もいただきましたけれども、私ども、文化庁とやりとりしておるときに、やはり文化庁もそれは避けなあかんといったような思いは非常に強く感じられまして、我々のところへ御質問いただいておるところも、ある面で先を先行しながら御質問をいただいているということも十分わかるものですから、そこは、何としてでも埋めなあかんというような気持ちでおります。
「中川貴元の発言」
ということは、その今回の議案であるこの保管庫、めども立たない中、この保管庫を名城公園内に据え置いていくということは、多くの市民の憩いの場であるこの名城公園、その市民の理解が得られるとお考えでありますか。
「松雄局長の発言」
正直、計画上はきょう議案で出しているところでございますけれども、それが見通しがないまま、ずっとそこに、要するに保管庫が置かれているといった状況が、果たして私どもは市民のための行政をやっている人間でございますので、そこが本当に適切なのかといったことにつきましては、議会の皆様から数多く御指摘をいただいておりますので、やはり見通しを持った上で、一般的に考えれば、見通しを持った上でやはりつくっていくといったことが大切かなというふうに、今、思っております。
「中川貴元の発言」
そうすると、この質問も先日させていただきましたが、改めて質問させていただきたいと思いますが、そういうことであれば、局長、やっぱり解体の許可申請、これを取り下げろとは僕は言いませんが、解体許可は許可申請として据え置く中で、やはりスタンダードな形で、復元の許可申請、これが整ってから審議をしていくと、やはり僕は、こういう今、文化庁からの結論、事実が今、突きつけられた以上、もう一度、初心に帰って、原点に帰って、スタンダードな形で解体の許可と復元の許可申請、これを同時に審議をしていくべきだというふうに思いますが、その点についてはいかがですか。
「松雄局長の発言」
正直、今、文化庁に解体の申請の許可を審議をいただいておりますので、今、審議中でございますし、また、つい最近でございますけれども、市長のほうから、文化庁の中の大変高いレベルの方からも速やかに名古屋市からいただいた申請について結論を出したいといったようなこともいただいておるものですから、今、中川委員のところについて、そのとおりにするというふうには私の答弁はできませんけれども、思いは一緒でございまして、やっぱり解体だけして建物がずっと残らないと、見通しがないと、切り分けてやるということは、やはり私も困難だと思っておりますので、やはり見通しをかけて、解体と天守というものが、やはり同時並行的に進めるような形で私ども調整する必要があるというふうに思っております。
「中川貴元の発言」
今、事務方の長としての、局長としての御答弁をいただきました。皆さんは事務方ですから、ここまでの答弁が僕は精一杯なのかなというふうに思います。
市長さんは市長さんの政治家としての思いや、あるいは名古屋城に対する思い、こうしたものがあって、選挙にも勝って、またこうやってやられているわけですから、そこの部分は皆さんではなかなか踏み込めないのかなというふうに思います。
僕は冒頭申し上げたように、やっぱりこれは名古屋市の誇る歴史や文化を、プロセスを含めてどうやって残して、それをどう国内外に発信をしていくのかという、そこが本当に原点だと思います。
僕は市長さんにぜひ、今の私が申し上げたこともお伝えをしていただきたいし、それから、これも冒頭に申し上げましたが、今回の議案というのは、保管庫ではありますが、しかし、こうした文化庁の答えを事実として受けとめるならば、これはお城をどうするんだという全体的な考え方を抜きでは、どうしても語りきれない部分があるのかなと思い、今、きょうまで皆さんの議論をお聞かせをいただきました。したがって、一度、市長さんのほうに勇気ある決断をしていただきたいなというふうに思うわけです。一度、局のほうで市長さんに、この後すぐでも結構だと、この議案を取り下げる、そういう勇気ある決断をしていただけないかどうか、これをお願いをしたいと。これは長老の委員の御意見もあろうかと思いますので、少しお話をいただければなと思います。