平成30年10月30日 経済水道委員会

【案件】

・所管事務調査

・特別史跡名古屋城跡天守閣整備事業の進捗状況について(観光文化交流局)

 

「中川貴元の発言」

じゃ、ちょっとまず基本的なことからお尋ねをしたいと思いますが、まず今回、文化審議会に諮られずに、予定どおりに現状変更許可を受けることができなかったわけですが、まず、その点について当局はどう考えていらっしゃるのか。

 

「西野所長の発言」

私どもはプロポーザルを行いまして、竹中工務店の案に基づきまして、それをもとに有識者の意見を聞きながら基本設計を進めてまいりました。そしてその中で石垣の調査も行ってまいりました。その調査を行う中で、天守台石垣の問題点が明らかになりまして、その検討が不十分だというふうに、そういう判断が出されたというふうに思っておりますので、私どもとしては、この石垣の保存についての検討をしっかりと進めて、一日も早く現状変更許可を得られるように努力したいと、そういうふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

ここ数カ月の間も、なかなか石垣部会の皆さんからの理解も進んでいないのではないかという議論もあった中で、本当にこの10月に取得できる見込みがあると思っていたのか、あるいはもう最初からいろいろな、国会議員の方の秘書さんからの情報だとか、そちらは直接的には聞いていない、間接的なところでなかなか難しいということもちらちら聞こえてきたわけですが、本当に取得できるという見込みがあったのか、あるいはもう実際には無理だろうなと思ってやってきていたのか、この辺はどうなんですか。

 

「西野所長の発言」

石垣部会を何回か開いていく中で、いろいろと御意見もいただき、この石垣の問題というのはハードルの高い問題だという認識は持っておりました。ただ、この7月の段階で私どもの天守台石垣についての調査をまとめまして、石垣部会にまとまった形で初めてこういう御説明をするというふうなタイミングでございましたので、石垣部会にしっかりと説明することによって、御理解をいただけるかもしれない、我々としては何とか御理解をいただこうということで7月を迎え、そしてそこでいただいた御意見、それに対してもさらに検討をして、石垣部会との認識の一致を得ることで、何とか10月に許可を得たいと、そういう気持ちで進めてきた、そういう状況でございました。

 

「中川貴元の発言」

そもそも、最初の計画を文化庁に示しているわけですから、そういう段階で、文化庁はこのスケジュールでは無理だとか、そういう指導というのかな、そういうものはそもそもがなかったわけですか。

 

「西野所長の発言」

この竹中工務店の案を優秀提案に選びまして、速やかに文化庁のほうに報告に行っております。そのときは文化庁からは、今後、有識者と検討した上で、名古屋市の案としてまとめて提出するようにというふうに助言をいただいたところで、この計画に無理があるようなというお話はいただいていないという状況でございました。

 

「中川貴元の発言」

それは、石垣部会の皆さんにおいてもスケジュール等を出した上で、お話をここまでしてきたわけですね。ただ、石垣部会の皆さんもここへきて、例えば、先ほどお話もあった文石協との相談が必要だとか、あるいはこちらにはスケジュールが、最初にいただいたやつがあるけれども、ここには調査までもは書いてあるけれども、調査の後に検討も必要だというようなこともおっしゃられるようになってきた。ということは、もうこのスケジュール工程案自体が、調査の後に加えなきゃいけない事項も出てきた。ということは、やっているうちに石垣部会の皆さんにおかれても、だんだんハードルが上がってきているような側面もありはしないのかなと思いますが、その点についてはどういう認識ですか。

 

「西野所長の発言」

石垣部会の皆さまには、昨年の3月の時点で初めてこの計画についての説明を行ったというところです。その際に、天守台石垣は非常に重要だという御指摘はいただきまして、私どもとしてはそういった御指摘も踏まえた上で石垣の調査を進めて、この7月にその石垣の保存方針をお示ししたと。その内容に基づいて、石垣部会としてはやはり天守台石垣には危険性もあるので、検討が不十分だと、そういうことでさらに検討するようにと、そういうふうな御指摘をいただいたと思います。我々としてはその御指摘も踏まえながらこのスケジュールをしっかりと守っていけるような、そういう努力をしていきたいと思っているところでございます。

 

「中川貴元の発言」

行政は、どうしてもこれは事業ですから、目標年次が定められて当然だと思います。ただ、その辺で石垣部会の学者の先生方とは事業に対する認識というのか、その辺が多少考え方に違いがあるかもしれませんが、そこでちょっともう少しお尋ねしたいのは、まず工期について、工期。

これ文化審議会が10月から5月にずれました。10月から5月にずれたということは11月、12月、1月、2月、3月、4月、5月--7カ月、今度5月に出せるとして、7カ月おくれるわけですね。7カ月のこのおくれは工期もいわゆる比例して7カ月で済むのか、もっとそれ以上に工事はおくれるのか。5月だと仮にするとどうなのか、あるいはこの5月を逃すと次がまた来年の10月ですね、この来年の10月ということは、その文化審議会は12カ月のおくれですね。しかしながら、工期はこれもまた12カ月で済むのか、その辺のスケジュールはどういう考え方を私どもは持っていればいいんですか。

 

「西野所長の発言」

ただいまその文化審議会で許可を得るタイミングがおくれる。例えば、来年の5月になったら、あるいは来年の10月になったらと、そういうお尋ねかと思いますけれども、工事のやり方、それを全く今と同じようにやるとしますと、許可がおくれた分スライドしていくということになります。ただ、単純にスライドするだけではなくて、実際に許可を得てから予算を構えて、そして契約もしてと、そういったものを当然、議会にお諮りしながらやっていくということがございますので、そういうタイミングもございます。そういったことを加味しますと、5月におくれた場合には許可は7カ月のおくれですが、このまま工事で行いますと10カ月程度、工事がおくれる。そして1年おくれた場合には、これはやはり工期も1年おくれる、そういうような考え方になります。

 

「中川貴元の発言」

それよりも後になると、来年度だと5月、10月ですが、そこでうまくいかない場合は翌年の平成32年度の5月、10月ということになりますが、ここまでずれるとそれぞれ工期はどうなりますか。

 

「西野所長の発言」

今、来年ですと10カ月、それから1年と申しましたけども、それがまださらにおくれますと、その翌年となりますとそれにさらに1年加わりますので再来年の5月の許可であれば1年10カ月、再来年の10月の許可であれば2年ほどおくれると、そういうことになります。

 

「中川貴元の発言」

そうすると、仮に工期がおくれるというか、単純に考えて、来年の5月だと10カ月おくれる、そしてそのあと10月だと1年のおくれになる。2022年のそのこの目標、12月だな。ここに間に合わせようとするには、今の話だと、来年の5月だと工期を10カ月圧縮する必要がある。来年度の10月になると工期を12カ月圧縮する必要がある。再来年度の5月になると1年10カ月の工期を短縮する必要があると、こういうことの理解でいいですね。

 

「西野所長の発言」

それで結構です。

 

「中川貴元の発言」

そうすると、一体どれくらいの圧縮なら竹中さんは、目標年次にオープンをするという前提でいくと、10カ月なら何とか2022年12月に間に合うのか、10月の12カ月の工期の圧縮はさすがに無理なのか、いやそこぐらいまではいけるのか、あるいは平成32年度の5月、1年10カ月になるともうさすがにそれは無理ということになるのか、技術的に一体何カ月の圧縮ならば、竹中さんは頑張ってこの目標年次に間に合わすことができるんですか。

 

「西野所長の発言」

大変申しわけございませんけれども、竹中工務店様とは今までお話をしてきた中では、やはり、工期をどれくらいでどうということにつきましては、やっぱり具体的にいつからいつ、いつから工事を始められるめどが立つとか、そういうことがあって、そしてそれに基づいて下請の調整とか、そういうことをやっていかないとなかなか簡単に言えないということですので、ちょっと工期の見直しについて、何カ月ならできるとか、そういったお答えはいただいていないと、そういう状況でございます。

 

「中川貴元の発言」

しかしながら、もうこれ予定のスケジュールからはおくれたわけですね。再三、皆さんはその目標年次に間に合うのかということをお尋ねをしているわけです。そういう中で、少なくとも最短でいっても今度の5月が文化審議会だとすると、10カ月は工期を圧縮する必要がある。これは、現実的なのかどうなのか、ということぐらいは、当然そちらで把握をして、すり合わせをして私たちにはもちろんそうですし、市民の皆さんにもお話をしていく必要があろうかと思いますが、最短の5月なら間に合うとお考えですか。

 

「西野所長の発言」

今、申し上げたような状況でございますので、最短の5月でいけるようなめどになった場合に、当然、間に合うようなそういう工程を協議して、つくっていただけるかどうか、そういうのをやっていくという考えでございますので、今の時点でやれるかどうかというのは、ちょっとお答えしかねる状況でございます。

 

「中川貴元の発言」

それならそうとして、じゃあ、それはいつごろわかるの。もちろん皆さんは次の最短の5月を目指すのは当然だと思うんだけれども、目指してそれがかなったとして、間に合うか間に合わないかっていうことは、非常に大きいことだと思うんですけれども、それは今現状ではわからないということでありますが、いつわかるんですか。

 

「渡邊局長の発言」

確かに、現時点ではスケジュール、お示しできないということで大変申しわけなく思っております。現在、先ほど来、出ております文化財石垣保存技術協議会--文石協さんとの相談を行い、その後、石垣部会との認識を一致させようというような段取りでおります。大体、スケジュールとしてもやはりその辺ところで、やはり石垣部会さんとの認識の一致を見ながらスケジュール管理をしていくということになろうかというふうに思います。現時点では具体的なお示しはできませんが、このプロジェクトは2022年12月の工期を予定しておりますので、そこに向かって石垣部会及び文化庁とも相談しながらやっていきたいというふうに思っております。

 

「中川貴元の発言」

そうすると、もうすでに目標年次に間に合うか間に合わないかは今のところは白紙という理解でいいですね。努力はするけれども、現時点ですでに2022年の、何月でしたっけ、(「12月」と呼ぶ者あり)12月に間に合うかどうかは白紙、不透明という理解でいいですね。

 

「渡邊局長の発言」

今、申し上げましたように2022年12月は計画予定ということでございまして、現時点で、石垣部会との認識は一致を見ておりませんので、それが不透明である以上、はっきりと今スケジュールが出せないという状況ですので、委員御指摘のとおりだというふうに認識しております。

 

「中川貴元の発言」

そうはいっても、間に合わすために最善の努力をされるわけですが、ここで先ほどお話が出てきた、いわゆる文石協、これは、その石垣部会の皆さんとの話で出てきたと思いますが、善意に考えるとある種、助け船を出していただいて、文石協さんを間に置いて、文石協さんのほうからも石垣部会さんのほうへ御説明をいただくことによって、スムーズにいくことも期待をしていきたいなというふうに思うわけですが、最短の5月に審議会を持っていこうとすると、文石協さんとのやりとりはこれで10月も終わりで11月になりますが、どういうスケジュールでいくと、この文化審議会にかけられるタイミングになるのか。文化審議会にかける前には復元検討委員会にも諮っていかなきゃいけないでしょうから、それのタイミングが1月、3月かな、その辺の文石協さんとの話し合いと検討委員会でのスケジュール、どう5月に臨んでいくかという、うまくいった場合のシミュレーションのスケジュールをちょっと教えてください。

 

「西野所長の発言」

文石協さんのアドバイスを得て、我々の石垣保存の計画を練って、そしてそれを石垣部会のほうに示して、認識の一致を得る。そしてそれをもとに復元検討委員会にかけていただくという、そういう流れを考えておりますけども、もちろんこれは速やかにそれができるということが望ましいと思います。

今の御質問の御趣旨から、遅くとも文石協さんと計画をまとめるのは年内には済ませておかないといけないだろう、そして年明け早々には石垣部会との認識を合わせていく、そういったことをやっていくことによって復元検討委員会、来年の復元検討委員会になりますと、通常ですと3月ということになりますけれども、遅くともそれには間に合わせるようにしなきゃいけないと、そういうふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

文石協さんとは12月までに話をまとめて、1月中には石垣部会さんとも話をすり合わせていくと、こういうことでいいですね。そうすると、石垣部会さんにおかれても、一気に全て調査をするわけではない、できないわけですから、徐々にやっていくんだと思いますけども、要するに石垣部会さんは、今後の調査、そして検討していく、主にその調査のスケジュールがその文石協さんを交えて名古屋市当局とすり合わせができればオーケーを出すと、そういう理解でいいのかな。

 

「西野所長の発言」

今おっしゃっていただいたように、調査、そしてその調査に基づく石垣保存のための計画、これをこういう計画で進めると、それをしっかりやっていくと、そういうことを石垣部会に示していく必要がある。そういうふうに御理解いただければ、認識の一致ということにつながっていくと、そういうふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

ちょっと戻ってお尋ねをして恐縮ですが、そもそも文石協というのは、本市にとってどういう位置づけになるのかね。要は、善意に考えると助け船をいただいたかなとも思うんですけれども、いわゆる文化庁さんからは石垣部会さんとよく話をしていらっしゃいよと、こういうことを言われたわけですが、この文石協は名古屋市が委託をするその審議会という立ち位置になるのか、アドバイザーなのか、どういう立ち位置で名古屋市は、一応、公式にこの文石協さんにいろいろお尋ねをしていくわけでしょう。どういう立ち位置というふうに考えればいいですか。

 

「西野所長の発言」

文石協さんに御相談をした上で、適切なアドバイスをいただける方にアドバイザーになっていただいて、御協力をいただくと、そういう立ち位置になるというふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

いや、それはパブリックなのか、任意、要するにアドバイザー的に非公式で聞く相手なのか、公式で聞くのか。

それと今アドバイザーの人に頼まれると言われたけれども、いわゆる文石協の役員の方の中、役員が何人かいらっしゃると思うんだけども、役員の方の中の何名に頼まれるの。どういうふうに頼まれるんですか。

 

「西野所長の発言」

文石協さんと今御相談をいたしております、その内容として、文石協さんからは、文石協の役員になっている人が適当であると、そういうふうなお答えをいただきまして、その役員の中でも、今回、私どもがお願いしようとしているのはコンサルタントの、そういうお立場の方になります。そういった方の中から、私どもとしては2名程度、アドバイザーとして、名古屋市がその方にアドバイザーとして来ていただく、そういうふうな形をとっていきたいなというふうに思っております。

 

「中川貴元の発言」

何かよくわからないんだけど、何回も聞いて恐縮ですけど、この文石協さんは名古屋市が通らねばならない道というか、石垣部会はそうだわね。だけど、そうではない立ち位置だよね、きっと。そうすると、石垣部会さんから言われた任意のアドバイザーという認識でいいのかということをもう一回繰り返しお聞きしたいのと、それから文石協さんの中では、何名の方にお願いをするのか、もしお名前もおっしゃっていただいて結構なら、お名前もあわせて。

 

「西野所長の発言」

今の御質問でどういう立ち位置かということでいくと、任意のアドバイザーという形で、名古屋市を補助していただける、そういう形でお願いしたいなと思っております。

人数については現在のところ2名ということを考えておりますけれども、ちょっとまだ最終的なところまで、今、結論出ておりませんので、ちょっとお名前までは少し差し控えさせていただきたいと思います。

 

「中川貴元の発言」

今度皆さん、石垣部会の皆さんとお目にかかられるのはいつですか。

 

「西野所長の発言」

11月2日でございます。

 

「中川貴元の発言」

そのときには、文石協さんも御同席されるんですか。

 

「西野所長の発言」

今、文石協さんと最終的に詰めておりますので、11月2日に出ていただけるところまで間に合うかどうかは、ちょっと今、不明確な状態でございます。

 

「中川貴元の発言」

もし11月2日に御同席をされるとすると、そこではどういう話をしていただきたいと思って、文石協さんにも声かけていらっしゃるわけですか。

 

「西野所長の発言」

もちろん、石垣部会に今まで出ていただいたことがありませんので、その状況をよく見ていただきたいというのがございます。あと、名古屋市に御助力いただきますので、名古屋市が説明します天守台石垣の調査の状況、そういったものについて、文石協のコンサルタントとしてのお考えとか、そういったものも少しお話しいただけるとありがたいなというふうに私どもは思っております。

 

「中川貴元の発言」

一旦、ちょっと最後にさせていただきますが、これ先ほど来、お話をさせていただくと、目標年次も今のところ努力はしていくものの不透明であるというところも踏まえて、この工程案、私どもいただいていますけれども、もうこの工程案は既に崩れたと言わざるを得ないわけですね。そうすると、この新しい工程案、それは努力目標の部分が入るにしても、新しい工程案をシミュレーションも含めてかどうかは別ですけど、シミュレーションも含めて、工程案を、新しいものをつくっていただいてはどうなのかなと。これはもう古いですもんね、5月もうできなかったわけですから。ですから、新しい工程案を少なくともつくっていただくべきかなと思いますが、どうでしょうか。

 

「西野所長の発言」

今、そのスケジュール、実際の工程についてなかなか想定ではつくりづらいということを、竹中工務店様との協議の中でございますので、先ほど局長も答弁いたしましたけども、石垣部会との認識の一致、こういったところに至ってからといいますか、そういったところであれば検討ができるのではないかなというふうに思っております。

 

「中川貴元の発言」

でも、結局、このまず復元検討委員会、あるいは文化審議会のタイミングがずれているわけでしょう。そうすると工事の施工だとか、石垣調査は石垣部会の先生方もいろいろあると思いますけど、この工事の施工を少なからずもうこの段階において10カ月は圧縮をしないと目標年次には間に合わないわけですよね。その辺は今、竹中とは話が、すり合わせができていないということであれば、きょうのところはそれで仕方がないと思うんですが、しかし、このすり合わせは絶えずしていく必要があるのではないのかなと。

まずは、皆さんが目がけている次の5月の審議会、これを目標に工事の施工もどう変わっていくのかということが第一義的にあるわけだと思うんですね。何もその後の10月までシミュレーションする必要はないと思いますが、当座の目標になる5月の文化審議会でもすでに工期は10カ月圧縮の必要性があるわけですから、それがその、何となく、多分できると思うよということでいいのか、それならそれで、そういうもんだということで御説明をいただければ結構ですが、いや、実はこのように工事施工が変わるんだということが、やっぱりすり合わせの中であれば、それをまたお示しをしていただくのも一つかなと思いますが、この辺はどうでしょうか。

 

「渡邊局長の発言」

委員御指摘のとおり、スケジュール管理、工程表というのは、しっかりつくっていかなければならないものというふうに認識しております。しかしながら、現段階において石垣の保全について、今、文石協さんとの相談の中で、どういった形でどう保全していくのかというのも含めて、それが新たな工程表にどう影響するのかというのも、現段階では明確になっていない状況ですので、そういったものをもろもろ含めて天守閣の上物の工事だけでなく、石垣についてもどうやっていくのかっていうのも含めて工程表の見直しというのが必要であれば、やっていかなければならないという状況でございます。

したがいまして、繰り返しになりますが、早急に文石協さん及び石垣部会との認識を一致いたしまして、その上で工程表を竹中工務店及び文化庁と相談しながらつくっていく、そういったような考えでいきたいというふうに思います。

 

「中川貴元の発言」

これ10カ月の工期おくれは、竹中さんにとってみれば想定内。仮にこれが想定内とすれば、要するに工事費、契約をした金額も変わらないであろうかと思います。ただし、これが10カ月の圧縮というのが想定外だとすると、二つ考え方があって、何とか頑張ってこの金額どおりにやっていただくということと、もう一つは、やっぱり10カ月の圧縮は大変なのでということで工事費が上がるという二つあると思うんですけども、10カ月ですと大体、そこもすり合わせができていないかもしれませんが、どうその工事費については考えていらっしゃいますか。この範囲内でやれると思ってらっしゃるのか、これはやっぱり多少は仕方がないと思っていらっしゃるのか、この辺はどうでしょう。

 

「西野所長の発言」

今、御指摘いただきましたように、工期の圧縮というのはそう簡単なことではないと思いますので、それなりの当然経費が膨らむとか、いろいろそういうことを検討しなきゃいけないというのはあると思います。

しかし、私どもとしては505億円の範囲内におさめるというのは、竹中さんとの基本協定の中でもうたっておりますし、もともと優先交渉権者に選んでからお話ししているところも、そういうことでございますので、いろんな工夫を考えて505億円の中でおさめる、そういう方針で進めてまいりたいというふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

ちょっと今のバリアフリーに関連ですけど、もう一回ちょっと重なるかもしれませんけど、いわゆる障害者差別解消法に抵触する、あるいは違反をするという認識はないということでいいですね。

 

「蜂矢主幹の発言」

障害者差別解消法の第5条では社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮に関する環境の整備として、行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、その他必要な環境の整備に努めなければならないというふうに書かれております。あくまでも法令上は努力義務というふうになっておりますので、エレベーターを設置しなくても、それにかわる方策によって上っていただくことができれば、障害者差別解消法を遵守できるものというふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

文化庁もこの障害者差別解消法には違反をしていないと、エレベーターを設置しなくても違反ではないという共通認識でそちら側は理解していますか。

 

「西野所長の発言」

そこまで確認はしておりませんけれども、法律違反であるという指摘は受けてはございません。

 

「中川貴元の発言」

今の質問のやりとりの中で、石垣とは性質が違うというお話がありましたが、このバリアフリーのことで、いわゆる文化審議会に諮られない可能性というのはゼロだというふうに考えていらっしゃるわけですね。

 

「西野所長の発言」

文化庁のことですので、私どもは言い切ることはできませんけれども、7月に私どもは石垣部会との認識の一致をと言われておりますので、バリアフリーの問題でとまるということは、現時点で私どもは想定をしていないということでございます。

 

「中川貴元の発言」

なかなか難しいところではあると思いますが、今のところ皆さんは、どこまでその障害者の皆さんと折り合いがつけられればよいというか、あるいは文化庁のほうにそれを持っていっても認められるであろうと。そういう努力目標なので、そういう団体の皆様と継続的に話し合いを進めていくことで、少しでも障害を持っていらっしゃる方にも上がっていただきやすいようなことを努力していくということで、解決ができるのではないかと、こういうことで進めていかれるわけですか。

 

「西野所長の発言」

今、お話いただきましたように、私どもとしては史実に忠実な復元ということをこの事業の目的としておりますけれども、きょう資料でもお示しいたしましたように、新技術の開発によって、実際、昇降ができない方でも入って上っていただけるようにということに真摯に取り組んでいこうというふうにしておりますので、そういったことは継続的にやって、そういう取り組みをしっかりやっていくということを御説明して、許可のほうにつきましては早めに取得してまいりたいというふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

この4ページの一番下の10月2日のところに、愛知県の障害者施策審議会から要望書受領とありますけど、これは、愛知県がこの審議会に諮った上でこの要望書が出されたんでしょうか。主にその要望書の中身と要約、あわせてちょっと教えてください。

 

「西野所長の発言」

これは愛知県がというよりも、愛知県障害者施策審議会の中でお話があって、その会長名で質問書を出されたというふうに認識しております。この中では、一つにはエレベーターを設置しない方針について、条約、法令の理念に反し、これは不当な差別的取り扱いになるおそれがあると、そういったことが書かれております。それから、当事者の方々と十分に協議して、安心して利用できる名古屋城木造天守閣の実現を目指すようにと、そういったような内容が書かれております。

 

「中川貴元の発言」

そうすると、この要望書というのは県の条例には少なくとも違反をしていると、こういうことが言いたいんですか。

 

「西野所長の発言」

済みません。ちょっと説明不足で申しわけございません。法令の理念に反し、障害者差別解消法で禁じられている不当な差別的取り扱いになるおそれがあると、本審議会でも意見が出ておりますという言い方をしておりますので、そういう法令に違反するおそれがあるという、そういうような御意見が出されているものというふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

審議会でも意見があるということは、これはあくまでも審議会ですから、県がこの審議会に付託をして、そして一つの事柄に対して審議をしていただく、議論をしていただくというのがスタンダードというか、それが審議会だと思いますけれども、県がこの審議会に要請をして、審議をされてその上で名古屋市に今お話があったような不当なおそれがあるという結論に達したのでしょうか。

 

「西野所長の発言」

この愛知県の審議会ですが、障害者基本法に基づいて設置されているんですけれども、愛知県以外の自治体に対する要望等の行為については、付託されている業務を外れているというふうに思われますので、県がそういう、この審議会にそういうものを諮ったということはないというふうに認識しております。

 

「中川貴元の発言」

それは県にも確認をされているんですか。要するに、県はこの審議会に審議を付託をしているかどうかの確認はされていますか。

 

「西野所長の発言」

県の担当者には確認をいたしまして、付託はしていないという回答を得ております。

 

「中川貴元の発言」

例えばですけれども、名古屋市の審議会が名古屋市から、例えばそれが、御局の審議会だとして、御局が付託をしていないにもかかわらず、その審議会が、例えば、県の事業に対して要望書なり、物を申していくということは、これまでに名古屋市において記憶にありますか。

 

「西野所長の発言」

私の記憶にはございません。

 

「中川貴元の発言」

ということは、極めてレアだと。要するに県のつくられた審議会でもあるにもかかわらず、県の付託もないにもかかわらず、この審議会がこうしたものを出してくるということはレアであるという認識でいいんですか。

 

「西野所長の発言」

はい、そのように認識しております。

 

「中川貴元の発言」

その審議会の皆さんの要望というのは、聞くところによると、皆さんもいささかどうなのかなというところもあって、これから、この審議会に対しては要望にきちんと応えていくのか、どうしていかれるおつもり、あるいは何かリアクションはされましたか。

 

「西野所長の発言」

委員御指摘のとおり、私どもちょっと疑問点がございますので、この県の審議会に対し、今、質問書をお送りしておるところでございます。それにつきまして、今、法令に反し不当な差別的な取り扱いになるおそれがあるというふうなことが書かれておりますので、それは、どういう根拠となる法令、どういう条項が適用されるか、そういった解釈を教えてくださいということで、一つ出しております。

それともう一つ、県から付託されているものではございませんので、今回のその要望がこの審議会としてどういう立場で出されたのか、どういう法的根拠に基づいて出されたのか、そういったことを御回答いただくように、今、質問書をお送りしている、そういう段階でございます。

 

「中川貴元の発言」

それはいつ出されて、いつまでに回答をいただくように要請されていますか。

 

「西野所長の発言」

10月25日に提出しておりまして、11月9日までの回答をお願いしているところでございます。

 

「中川貴元の発言」

また結果について教えてください。

それとあわせて5ページですけれども、(2)のところで公募のイメージありますね。この1年目で募集となっていますね。この1年目というのは今年度を指しているのかなと思いますが、もし今年度であれば、どういうスケジューリングで進められていきますか。

 

「蜂矢主幹の発言」

国際公募のスケジュールにつきましては、今年度については、まず公募のフレームを今、調査始めております。それが決まり次第、公募に必要な要求水準であったりだとか、実施説明書なんかの作成の委託を発注し、公募自体は来年度から始めていきたいというふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

その公募自体を始めていく時期がいつなのかという点と、それからもう一点は、皆さんは来年の5月に文化審議会を通っていくことを目標とされているわけですね。ややもすると、石垣のことに目が行きがちですけれども、やっぱりこのバリアフリーのことも県のことは県の、今の審議会のことは審議会として、とても重要なことだというふうに思っています。

そういう中でやっぱりフレーム云々と言われましたけれども、よりその文化庁、あるいはもちろんその障害を持っていらっしゃる方々にも名古屋市のその真剣さということをきちんと理解をしていただくためにも、来年と言わずに、どうして今年度からその募集をしていかないのかなというふうに思いますが、その辺について御答弁いただきたい。

 

「西野所長の発言」

今、御指摘いただきましたように、このバリアフリーの問題に私どもが真剣に取り組んでおるということを示す意味でも、こういった公募を少しでも早く行うべきではないかということで、私どもとしても、おっしゃるとおりだというふうに思います。ただ、今、こういう技術の公募というものにつきまして、私どももなかなか経験がないというところもありまして、今、鋭意調査をして現時点でここまでまとめたということでございますので、これをさらに具体的な条件を決めて、そして、公募条件をはっきりさせて公募していくということが必要でございますので、この資料にも書かせていただきました12月から具体的な公募資料の作成に入ろうというような今、段取りにしております。それで、来年度と申し上げましたけども、極力早く進められるように努めてはまいりたいというふうに思っております。

 

「中川貴元の発言」

そうすると、これ公募のイメージで1年目の募集というのが来年度の早い段階と、これどれくらいをまず目標にされるのかという点が1点と、それから4年目に実用化審査とありますけれども、2022年のときにはどの辺までを目標にするのかね。要するに、それは、ここでいろんなアイデアを募集したりしますが、2022年のときには実現可能、あるいは実用が可能な段階までもっていくのか、どういう予定で考えていますか。

 

「西野所長の発言」

私どもの今の考えとしては、来年度早々に募集に入りたいというふうに思っております。そして、2022年12月が竣工予定でございますので、それまでにこの実用化が図れるように、この4年目というのが2022年ということになりますので、そういったスケジュール感で進めたいというふうに思っております。

 

「中川貴元の発言」

バリアフリーもとても大切な問題ですので、こちらも石垣同様にきちんとやっていただきたいと思います。

以上です。

 

 

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