令和元年8月30日 経済水道委員会

【案件】

・所管事務調査

・高級ホテル立地促進助成について(観光文化交流局)

 

「中川貴元の発言」

先ほどのあなたの答弁でブランド力、知名度、格付、これらよりもハード要件を満たすことが優先である旨の答弁がなされた。ということは、それは高級でなくてもいいということにほかならないわけでして、ということは、むしろ名古屋版ラグジュアリー、名古屋版高級ホテルでよいんだと。ですから、世界的なレベルには達していなくても名古屋版高級、名古屋版ラグジュアリーでいいと、こういうことでしょうか。

 

「大島室長の発言」

済みません、私の答弁で少し語弊があった部分もあると思います。

高級ホテルを除外するというか、高級ブランドを除外するものでは当然ございません。国際会議の誘致において私どもが名古屋に不足しているということで言いますと、今言いましたようにハード要件がまずあるということで、当然一定のハード要件を満たすものは多くはブランドホテルになるとは思います。ただ、独立系を除外する必要があるのかというところもありますので、まずは一定の規模を求め、その中で自然に採算性や事業力のあるものが来ると思いますので、そういった中でそれなりのブランド力のものが来るものというふうに考えております。

 

「中川貴元の発言」

単純に二つの要件があるとしましょう。一つがハード要件、一つがブランド力。そうするとこの二つの要件のうちハード要件さえ満たせばよいのか。その二つの要件を満たさなくてはならないのか。どちらですか。今の答弁ではちょっとよくわかりません。

 

「松雄局長の発言」

今、委員から大変重要な御指摘を頂戴しているというふうに思っておりますけども、私は最初に申し上げましたように、やっぱりG20のところに名古屋が俎上にも上がらなかったというようなことでございました。そしてAPECもずっと横浜で開催をしているといったことがありますので、まずやはりそうした首脳クラスを誘致するにはどうあるべきなのかといったようなことを中心に議論をしてまいりました。そうしますと、実際にG20の外相会談をやるときに、外務省の職員が名古屋観光ホテルを見に行ってまいりました。私もそこに同席をさせていただいて、何を基準に彼らが見ているのかといったようなことも経験をさせていただきまして、そういう面で、今、委員おっしゃられるようにソフトといいますか、ハード的な要件を中心に制度をつくってきたといったことは事実でございます。

 

「中川貴元の発言」

決して今の答弁を否定するものではありませんが、そうすると目的を二つに分けたほうが明確ではないんでしょうか。というのは、非常に短期的な側面による、あるいは非常に短期的な側面に対応をするためのホテル対策。それは先ほどから出ている「Forbes」であるとか、あるいは「TravelWeekly」。そういったものに頼らず、短期的にMICEや首脳会議やあるいはアジア大会や、そういったものに対応するための、ホテル不足に対応していくための補助と、それからもう一方ではブランド力、知名度、格付、そうしたものを有するホテルの誘致と、これらを今までの答弁を聞いていると何か一緒にしてしまっているような気がしています。僕はどちらも大切なんだというふうに思います。短期的な側面はMICE、アジア大会あるいは首脳会議、こういったものは実はその時々による一過性のものにすぎない。しかしながら、さりとてそれを無視してはいけない。そこにもやっぱり対応をすべきであろうかと思います。ただ、先日視察をさせていただいたパレスホテルは当時、あれは建てかえですね、あそこの場合は金融機関とは20年の回収で話をしたというふうに言っていました。20年よりも幸いにして早く投資の回収ができたと、こんなふうにおっしゃっていました。ということは少なくとも20年後の東京、あるいは名古屋でいうと20年後の名古屋市、あるいは20年間のこの名古屋が投資に値する都市であるのかどうなのかということが、実は極めてラグジュアリーを呼ぶ場合には必要なのかなと思います。

今、先ほど人口減少の問題が出ました。まさに僕はその点においてはそのとおりだと思います。20年後には1億1000万人になり、30年後には1億を割り込み、そして40年から45年後には9000万人を割り込む。それは日本全体であります。が、これからの時代というのは単に都市間競争というようなこれまでささやかれていたそういうフレームではなく、この名古屋が7割国家になってしまったときにどういうふうに日本をある面支えていき、どのような形で名古屋は日本に貢献ができるのかと。例えば単純に比例で計算できるわけではありませんが、7割国家になったときに7割経済になってはいけないわけです。そこを補うのがインバウンドである。というのもそれはワン・オブ・ゼムでありますけれども、その一つであります。そうしたときに名古屋が短期的でなく中・長期的に見たときに、世界からもあるいは日本全国から見たときにもさまざまな形で、それはそのときにもMICEやいろいろなさまざまな会議があるかもしれません。あるいは単純な観光という側面もあるかもしれません。しかしながらそういったときに対応ができる、あるいはその高級ホテル、あるいはそのブランド力によって名古屋に1回行ってみたいなと思うこともあるかもしれない。そういったこともやはりあわせ考える必要があるのかなと思います。

そうしたときにやっぱり僕は短期的なホテル不足に対応をする、それはそちらがおっしゃっているスイートの不足であったり面積の不足であったり、そうしたことは建てかえのときにもそれが10億円かふさわしいのかどうなのかはわかりませんが、それも僕は対応をしていくべきだというふうに思います。何が言いたいかというと、分けて考えるということについてはどうなんでしょうか。

 

「松雄局長の発言」

委員の御質問を聞いていて、大変私ども咨嗟にあるところをおっしゃっていただいておるんだなというふうに思います。

私どもも1回富裕層というのはどういう方なんだといったようなことを観光庁なんかも資料出ておりますので、江上委員がおっしゃっていただいたとおりに全体の1%、じゃ、実はこれを、今、短期のところで名古屋で取り込めるのかと。富裕層が求めておるのは徹底的な富裕といいますか、全てがオール5といいますか、というようなところを考えたときにやはりなかなか名古屋でそういうようなことを、今、短期のところでやれるかというとなかなか私どもは難しいと。だったらハード的な要件をまず決めて、そこのホテルを誘致したいという優先順位の問題かもしれませんけども、そういうような考え方に立ったわけでございます。

だけど、これから人口が減ってまいりますので、じゃ、それの穴埋めをどういうふうにするのかという指摘も大変重要だと思っていまして、そこには私どももやっぱり貢献をしたいというふうに思っておりますので、今、分けて考えるべきだというような御提案をいただいてきましたので、一度やらさせていただきたいとは思っておりますけれども、ランクづけのことも含めてクオリティーですね、ここをどうするかについては一度考えさせていただきたいというふうに思います。

 

「中川貴元の発言」

それから少し違う視点ですけれども、ホテルの建て方あるいは運営の仕方というのはさまざまあります。例えば先日視察をさせていただいたパレスホテルは、自分の土地に自分で建てて自分で運営をしていく。こういうパターンもあるでしょう。それから先ほど浅井委員が言われた紀尾井町のプリンスは、よそ様がお建てになられたところに、その上のほうに入る。これがいわゆる外資系のラグジュアリーの基本的なスタンダードですよね。そうしたときに、例えば名古屋に照らし合わせたときに、建てかえ云々も含めてですよ、今、既存にあるAというホテルが名前を変えてBというホテルを連れてくる。それがランクはともかく、そういうやり方を当然オペレーションは、じゃ、既存にある名古屋のホテルだと、しかしそこを大幅に建てかえて、いわゆるラグジュアリー的なところを持ってくるというケースもあるのかなというふうに思いますが、そういったケースも要するにOKなわけですね。

 

「大野室長の発言」

今、委員が御指摘のありました既存のホテルを一旦取り壊し、建てかわったホテルにBというブランドが来るというパターンがあるかと思いますが、それについては今回の補助の対象になると認識しているところでございます。

 

「中川貴元の発言」

それでそのAというホテルなり、あるいはディベロッパーがBというホテルを連れてきたときに、Bの格付は、これは全く関係がないのですか。今回のラグジュアリーという高級ホテルというのであえて聞くんですけどね。Bというのはそこそこでいいのか。ブランド力の話ですよ。ブランド力はそこそこでハードの要件を満たしさえすればいいというふうに、今、考えているのか。いや、少しちょっと立ちどまって考えようと、今思っているのか。その辺はどうですか。

 

「松雄局長の発言」

繰り返し申し上げておりますように今スイートの数が67室。どうしても国際的に横浜に立ち向かおうとすると100室にしたいと。委員のお言葉で言うならばハード的な要件を満たすようなものでございます。ですけども、今、委員のおっしゃられたような方、海外の富裕層の方が普通インターネットで見るときにやっぱりそれなりの、例えばマリオットとか名前は出しちゃいけませんけれども、そういうようなもので検索をして宿泊の予約をするといったようなこともわかるものですから、そこはどういう制度設計をするのかは一度これから要綱を決めていくものですから、今の委員のことも踏まえながら一度考えさせていただきたいというふうに思います。

 

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