将来を見据えて「国のかたち・地方自治のあり方」を考え続ける

中川貴元の政策7Policies

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07将来を見据えて「国のかたち・地方自治のあり方」を考え続ける

~地方のあり方こそ、日本の本質~

地方自治制度の歴史

  • ・明治4年(1871年)廃藩置県
  • ・明治21年(1888年)市制町村制
  • ・明治23年(1890年)府県制
  • ・昭和18年(1943年)東京都制
  • ・昭和22年(1947年)地方自治法制定
  • ・昭和31年(1956年)指定都市制度創設
  • ・平成4年(1992年)国会等の移転に関する法律成立
  • ・平成11年(1999年)機関委任事務廃止、国と地方は対等
  • ・平成17年(2005年)三位一体改革(国から地方への税源移譲)
  • ・平成18年(2006年)地方制度調査会「道州制のあり方に関する答申」

道州制特区法公布

  • ・平成11年(1999年)〜平成22年(2010年)平成の市町村合併

国-都道府県-市町村の3層構造

国と地方のかたち、すなわち国-都道府県-市町村の3層構造は、明治4年の廃藩置県、明治21年の市制町村制、明治23年の府県制で確立され、戦後は昭和22年の地方自治法の制定によって制度化されました。その後、平成11年の制度改正により機関委任事務が廃止され、国と地方は対等協力関係に移行し、平成17年の三位一体改革によって初めて国から地方へ税源移譲が行われました。
さらに平成18年道州制特区法公布により、将来的に道府県を廃止し、もっと広いエリアを管轄する道州に再編することで、国と地方のかたちを抜本的に見直す議論が一時盛んとなりましたが、下火となりました。
大都市の扱いについては、暫定的な制度として、昭和31年に指定都市制度が創設されましたが、その後抜本的な制度改正はなされておりません。
このように日本の地方制度、特に国-都道府県-市町村の3層構造は大都市も過疎地域も全国一律であり、明治維新以降ほぼ変化がありません。

市議会議員の経験から

議会議員の経験から言えば、本来国と地方は対等な関係であるはずですが、実際には、膨大な通知により、箸の上げ下ろしまで指示がある場合や、各省庁ごとに補助金要綱が定められているため用途が絞られ、地方の現場のニーズにあっていない場合があるなど、地方の自主性・自立性が尊重されていないケースもみられます。
世界が激変し、国内外の課題が山積する中で、改めて国の役割、地方の役割は何か、また、大都市だけでなく過疎地域も含めた日本全国の地方自治体が自主性・自立性を十分に発揮することができる地方自治制度を大前提とした上で、大都市の力を国の成長に活かすことができる地方自治制度はどういったものか、明治期以来続く根本の「国のかたち・地方自治のあり方」を問うていきたいと考えています。

新型コロナウイルス感染症対応においても明らかになった国・地方間の課題

「国のかたち・地方自治のあり方」という観点に関連して、政府有識者会議や地方六団体から次のような意見等が出されています。

  • ・入院調整について、保健所業務がひっ迫する中、都道府県や保健所設置市・特別区との間で調整が難航した事例があった。
  • ・一部の都道府県では感染拡大期に病床の確保が追い付かず、都道府県の区域を越えた患者の入院調整が困難な事例があった。
  • ・感染症法上、保健所を有しない市町村の役割が明確でなく、こうした市町村と都道府県との間の情報共有が円滑に進まないなど地方公共団体間の連携が十分にできなかった地域では、食事の配送が遅れるなどの問題があった。
  • ・感染症有事における国と地方の役割が不明確であったため、病床確保などの医療提供体制の強化や、保健所による積極的疫学調査などで混乱が発生。
  • ・感染症法上、都道府県と保健所設置市区に同等の権限がある中で、医療体制の整備、広域的なサーベイランス体制の整備等において、両者の調整が必ずしも円滑に進まなかった。
  • ・感染状況の把握に当たり、国・都道府県・市町村間での迅速な情報共有に課題。
    (※ 第33次地方制度調査会第5回専門小委員会の資料2から抜粋)

以上のようなコロナ禍における課題はもちろん、国の様々な課題、例えば人口減少の問題や少子高齢化の問題、あるいは経済の再生、環境の問題等々、あるべき国の役割、地方の役割、さらには地方の中でも大都市の役割、過疎地域の役割を考えていく必要があります。「国のかたち・地方自治のあり方」は不変のものではなく、時代の状況に応じたそれぞれの役割に伴って変えていくことも重要であります。